YosibeiのB席

世の中には著名団体の来日公演でS席しか行かない、という方もいるでしょう。でもワタシは、今日も当たりを求めてごく普通の定期に向かいます。なお、コメント/トラックバックを可能にしました。

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「悲劇的」な夜

11月アタマの西本智美=ベト7以来
コンサートの間が開いていることに気づき
飯森泰次郎指揮東京シティフィルで
マーラーの「悲劇的」が演奏される
ということでオペラシティへ。
シティフィルは、これまで何故か縁がなく未聴。
最近の好調が伝えられているだけに
過剰な期待は抱かずに出かけることにした。

「悲劇的」は中学2年の頃にNHK-FMで初めて聴いてから
表面とは違い、実は情緒不安定なガキだった頃からの大事な曲。
9番と共にそうしょっちゅう聴きたくはない、
けれど自分の中では物凄く大事にしている曲。
「悲劇的」の実演はこれで3回目。
いろんな面で行き詰まりを感じていた大学2年の時
初めて実演に接したI・フィッシャー=日フィルの晩は
愚行を働いてしまい翌日烈しい自己嫌悪に陥った思い出がある。

1階ほぼ中央の席。
まずは、モーツァルトのK.503の協奏曲を高橋アキのピアノで。
高橋アキ=現代作品というイメージが強烈で、彼女の実演も初めて。
イメージとは違い、モーツァルトらしいふくよかな音楽。
完全ノーミスというわけではないけれど
オケはノンビブラートに近い奏法でピアノに寄り添い
春の木漏れ日のような音楽でまずは満足。

休憩後、いよいよ「悲劇的」。
飯森のタクト一閃、やや速めのテンポで第1主題がずっしりと響くと
ただならぬ音楽がオペラシティを満たした。
「アルマの主題」も厳しい音楽。
シティフィルは懸命に飯森の苛烈な音楽について行く。
残念ながら、東響・都響・新日よりは少し落ちるかもしれない。
でも、1楽章の凄まじさは
マーラー下手の某楽団に爪の垢でも煎じさせたいくらいのもの。
「1楽章だけで帰ってもいいかな」と一瞬思う重量感だった。

通常の3楽章が1楽章の後に演奏されたけれど、
あの後スケルツォを演られたら、こっちが保たなかっただろう。
残念ながら曲が進むにつれ少しずつアンサンブルの乱れが出て、
完璧な演奏というわけには行かなかったけれど、
絶望と光明が烈しく交錯する中、
それでも"Vorwärts!"(前へ!)ともがく終楽章のハンマーは2回。
飯森のブラスの扱いではワーグナーを想わせる響きもあって、
この曲の劇性が存分に発揮された、
凄まじい重量感のある「悲劇的」だった。
都合があってか、3楽章で帰る人も見られたけれど
何ともったいない!と思う。

何となく音楽を引きずりつつ、行きつけへ。
それでも物足りなく場所を替えて痛飲。
こういう晩もあっていいのだろう。
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  1. 2006/12/14(木) 16:50:00|
  2. 音楽
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