YosibeiのB席

世の中には著名団体の来日公演でS席しか行かない、という方もいるでしょう。でもワタシは、今日も当たりを求めてごく普通の定期に向かいます。なお、コメント/トラックバックを可能にしました。

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拍手なしで会場を後にする夜。



そう滅多にあることではあることではありませんが、
周りがどんなにブラヴォーの嵐になろうと
演奏終了後、拍手もしないで会場を後にすることがあります。

プロなのにあまりに覇気を感じられないとき
あまりに異形の解釈で受け入れ難いとき
ブーを叫ぶ勇気はないので、消極的な意思表示としてそういうことになります。
マーラーの5番で言うと、
昔田舎で聴いたA.デイヴィス=BBC響が前者、
昨夜の大植=大フィルは後者です。

【大阪フィルハーモニー交響楽団第46回東京定期演奏会】
指揮―大植英次 ジャン=フレデリック・ヌーブルジェp
●モーツァルト…ピアノ協奏曲第9番
●マーラー…交響曲第5番

大フィルは故朝日奈御大の録音で親しんできましたが、実演は初めて。
大植では、ミネソタ管とのコープランド3番のディスクはいい演奏でした。
タワー店頭で試聴した大フィルとの「悲劇的」はちょっと重すぎた感じ。
どんな演奏なのか、それなりに期待して出かけました。

「ジュノム」は小学生のワタシが、クラシックで最初に好きになった曲。
親類宅からもらってきたコンサートホール盤、
リリー・クラウスの「トルコ行進曲つき」のカップリングで、
家にあった「電蓄」で擦り切れるまで聴きました。
後に日本コロンビアから出たCDには
あの典雅な雰囲気は全く見あたりませんでしたが。

舞台に登場した大植英次は、TVで見知っている
オーラにあふれエネルギシュな雰囲気からは
想像もつかないほど意外に小男。たゆたうように「ジュノム」を伴奏。
ヌーブルジェの弾く2楽章は、
ブラームスの第1協奏曲の中間楽章との意外な親和性で魅せ、
終楽章の中間部では止まりそうに遅いテンポで歌いこんでいきます。
協奏曲の後、ピアニストはいい雰囲気の「月の光」をアンコールしました。
このピアニストなら、ラヴェルとかプーランクの協奏曲でも良かった。

で、午後8時5分ほどに始まったマーラー5番。
微妙にテンポを揺らす箇所はあるものの
徹頭徹尾基本のテンポが遅く、1楽章の途中で
いささか病的な緊張感に包まれたシノーポリ盤を思い出しました。
ワタシはこの曲では緊張と弛緩を明確に対比し
早めのテンポで音楽の自律的躍動を顕わにする演奏を好みます。
大植の行き方は、それとは立ち位置を全く異にするもので
概ねこの曲の演奏時間は67分から73分といったところかと思いますが
終演は午後9時35分!5番に85分ほどかけたのでしょうか。
緊張のみで全く「レントラー感」を感じられない遅い3楽章が終わった時、
もう9時を回っていました。
アンコールで「アヴェ・ヴェルム・コルプス」か何か演奏されたようですが、
マーラー終演後すぐ、ブラヴォー渦巻く会場を出たのでわかりません。

大フィルは、敢えて言えば弦と管の音程の不統一が数箇所垣間見えましたが
この遅いテンポにもよくついていって全曲に渡って緊張を保ち、大健闘でした。
ミネソタを虜にした、大植のショーマンシップはよくわかりました。
しかしワタシには、この人のマーラーはもうないです。
  1. 2009/02/18(水) 13:03:00|
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