YosibeiのB席

世の中には著名団体の来日公演でS席しか行かない、という方もいるでしょう。でもワタシは、今日も当たりを求めてごく普通の定期に向かいます。なお、コメント/トラックバックを可能にしました。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

オペラシティ第一夜=東フィル第35回オペラシティ定期

 

13日の東フィル第35回オペラシティ定期は
若杉弘指揮で「未完成」とブルックナーの9番。
会場とプログラムを見て、
ヴァントの伝説的来日公演を想起する人もいるのでは。

この演奏会、次の日のシティ・フィルに行くことにしていたので
元は行く気はなかったのだけれど
11日の夜、眠れなくて夜も明けようかと言う時刻、
ヴァント=ミュンヘン・フィルのCDを聴いていて
凄絶な美しさに改めて接し、気が変わったのだった。

「未完成」。
チェロとコントラバスのppがきちんとした土台をつくって曲が始まる。
きつい響きや新奇な試みに表現意欲をフォーカスすることなく、
80年代、NHK-FMで馴染んできた
西独の放送オケの演奏のように、安心して聴ける演奏。
2楽章も低弦の土台の上に暖かな音色と穏やかな歩みで
改めてこの曲が名曲であることを実感。

さて、休憩後はブルックナー9番。
昨年4月、同じコンビでの7番がブラヴォーものだったので
それなりに期待していた。
確かに「いい演奏」だった。
東フィルは良く鳴っていたし、細かなニュアンスも申し分ない。
でも、感動はしなかった。

若杉弘という指揮者は、
昔からアダージョを細かく振り分ける。
声付きの作品では、声が聞こえるバランスというものに鋭敏だ。
玄人筋から漏れ伝わるところによると、
彼のバトンテクニックは、実は令名ほどではないとも。

ブルックナーの作風の基礎に、ワーグナーとオルガンがあるとすると
若杉の把握はワーグナーに軸足を置いている。
昨年の7番ではそれがピタリとハマったのだけれど、
鳴っている音は、それなりに雄渾だったり豪放であるのに
音楽の運びが足早な感じになってしまう。
だから2楽章は、トリオの軽やかなレントラーを筆頭に
素晴らしい充実ぶり。

でも、ワーグナーの影響云々どころではない
ブルックナー独自の高みに達した9番の両端楽章のような音楽では、
やはりオルガンに立脚すべきではないのかしら。
朝比奈やヴァントでこの曲に親しみすぎた聴き手に
些か問題もあるのだけれど、
この夜の演奏は、ワーグナーを通して9番を組み立て、
古典から続く「交響曲」である、
ということを強く意識したものに感じた。
もちろん、納得も理解もする。いい演奏だった。
でも、5年後、10年後に機会が得られれば
指揮者と聴き手、
各々の変化とさらなる熟成を楽しみにしたいと思う。
  1. 2007/12/13(木) 19:41:00|
  2. 音楽
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<オペラシティ第二夜 シティ・フィル214回定期 | ホーム | 一足早いクリスマス♪>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://yosibei.blog10.fc2.com/tb.php/225-79f3b29a
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。