YosibeiのB席

世の中には著名団体の来日公演でS席しか行かない、という方もいるでしょう。でもワタシは、今日も当たりを求めてごく普通の定期に向かいます。なお、コメント/トラックバックを可能にしました。

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尊敬すべきものと賞賛すべきものは違う。

第28回東フィルオペラシティ定期を聴いてきた。
チェリストのダヴィット・ゲリンガスの指揮。
02年に舞台上で倒れ、右半身不随になったピアニスト、
舘野泉のラヴェル「左手」を聴くためだ。

この曲は優しい曲ではない。
先日も触れた初演者ヴィットゲンシュタインの録音なんか、
技術の巧拙で見ればかなり酷い。
一時期、同じく病を得て左手だけで活動した
L・フライシャーの実況を聴いたこともあるけど、
これも技術的に万全とは言い難かった。
だから、先日の栗田博文=東誠三のコンビには感心したのだ。

オケは、独奏者への尊敬に満ちた腰の据わった伴奏をした。
舘野も暖かい音楽をしようとしていた、と思う。
しかし、肝心なところでミスタッチ続出。
乗り切れなかった。
曲が進むにつれ、オケとの息も合わなくなっていく。
期待していただけに痛々しかった。

演奏後、会場はブラヴォーと大喝采。
中にはスタンディングの女性までいた。
舘野の意思の力と復活には尊敬を惜しむつもりはない。
でも、それとこの晩の演奏が賞賛すべきものだったかとは別。
尊敬すべきものと賞賛すべきものは違う。
かつてホロヴィッツの来日時、会場はブラヴォーの嵐だったけれど、
吉田秀和が「ひび割れた骨董」と書いて大騒ぎになった。
常にブラヴォーの怒号轟き、神の如く崇められた
故朝比奈のブルックナーだって好不調の波はあり、
全てが超弩級の演奏だったとは言えない。
この日の演奏はTVクルーもいたので、
放送されるかDVDで売り出されるかするのだろう。
私が本人なら、絶対拒否する。
こんな、ミスタッチ続出の演奏をそのまま遺されるのは
我慢がならないからだ。
冷静に考えれば、舘野も70歳を超したピアニスト。
ミスタッチくらいにキリキリしなくても、という気もする。
でも、だからこそ
万全な状態の舘野をもう一度聴かなくてはならない、と思う。

1曲目の「カルメン組曲」抜粋は
第1・第2組曲の中からさらに刈り込んで構成したもの。
こういう構成は初めて聴いたが、前奏曲を最初と最後に組み込んで、
カルメン~パラフレーズ集になっていたとはいえ、
このような「イイとこ取り」は邪道ではないのか。
休憩後のR・コルサコフ「シェエラザード」はテンポが遅く、シンドバッドの船が
荒天のマラッカ海峡を進むタンカーのような感じ。
しかし、曲が進むにつれエンジンもかかってきたようで、
最後は充実の大団円。
オペラとバレエの合わせで培われた
東フィルらしい「聴かせる」演奏ではあった。
コンサートマスターは荒井英治。
この人は、こっちが大学生だったその昔、
東響のマスターだった頃から安心して聴ける。

コンサートの後は、ややテンぱっているのかもしれない。
こういうコンサートの後は、どうしても普段より攻撃的になってしまう。
その後飲んで終電で帰らず、タク帰宅になったことと併せて反省。
付記すると、足立ナンバーの個人タクシーの運転手さん、
かなり耳が遠くて閉口した。安全運転を祈る。
  1. 2007/02/23(金) 12:36:00|
  2. 音楽
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