YosibeiのB席

世の中には著名団体の来日公演でS席しか行かない、という方もいるでしょう。でもワタシは、今日も当たりを求めてごく普通の定期に向かいます。なお、コメント/トラックバックを可能にしました。

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
  1. --/--/--(--) --:--:--|
  2. スポンサー広告

スリリングなモーツァルト





芸劇でのオルガン以来、
ちょっとコンサートの間が空いていることに気づき、
ワタシがモーツァルトのPコンのうち最も偏愛する
K.271とK.488が演奏されるということで、
《モーツァルト/ピアノ協奏曲の夕べ》を文化会館の小ホールで。
全く名も知らぬ演奏者でもあり、
穏やかなモーツァルトの調べにたゆたってくればいいか、
という軽い気持ち。

しかしある意味、手に汗握るスリリングなコンサートだった。

まず、指揮者なしの4-4-2-2-1のアンサンブルで、
K.136のディヴェルティメント。
これが遅く重い音楽で、丁寧に弾こうというのはわかるものの、
ぜんぜん「喜遊」しないもの。
ま、しかし、アマチュアではないようで、
きちんと弾こうという姿勢は分かる。
こういうアプローチが今でもあるのか、
と小驚愕のうちに演奏終了。

ピアニストが登場して、K.271「ジュノーム」。
この曲は故リリー・クラウスのディスクで親しみ、
骨の髄までワタシの中に沁み込んでいる音楽。
開始楽章の最初でまたまたビックリ。
クナッパーツブッシュがいたずらしてるような、
通常のテンポの倍くらいの遅さ。
ここまでくると、華やかさとか無縁の異形の音楽が出来上がる。
しかも当夜の老女流ピアニスト、今の標準から言って
「超絶技巧」なんか全く要求しないモーツァルトの協奏曲で
ミスタッチ連発。
あまりに身に沁み込んでいる音楽をミスタッチで破壊されると、
哀しくなるのが人情というものか。
1楽章の最後は、ピアニストがパッセージを弾き飛ばし、
オケと合わなくなってうやむやな和音のうちに終了という、
演奏事故を拝見させていただきました。

1楽章の遅さから、
緩徐楽章はさらにテンポを落として謡い込まれるのかと思いきや、
意外な中庸テンポ。
間に「命を賭けた遊び」でもあるかと思ったものの、
サラサラと弾かれ肩透かし。
終楽章はまた鈍重テンポに戻って、ミスタッチ復活。
ここまでくると
「あのパッセージを巧くやり過ごしてくれ!」と
祈るような気持ちになるから不思議。
「ジュノーム」の最終音とともにドッカリと疲れた。

休憩後のK.488はよほどパスして帰ろうかと思ったものの、
踏みとどまって着席。
1楽章からまた「ジュノーム」程ではないにせよ、遅めのテンポ。
ミスタッチは幾分減ったものの、
パッセージの聴かせ所をどこに置いているのかわからない音楽。
緩徐楽章はまたも意外な中庸テンポ。
謡わせない、かといって鋭さもない音楽。
終楽章はまた、
早いパッセージの冒険をひとつひとつクリアするといった感じ。

残念ながら、とても
「モーツァルトの調べに身を浸す」どころの騒ぎではなく、
手に汗握るコンサートになってしまいました。
といって、「4千円返せ!」という気にはならないのも不思議。
老教授が、いまの精一杯の力を出してこうだった、
それは受け入れようという気になったからではあります。

帰りの一蘭のラーメンは、相変わらず美味でした。
  1. 2006/10/22(日) 22:50:00|
  2. 音楽
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<デュリュフレのレクイエム | ホーム | 治ったかな?>>

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://yosibei.blog10.fc2.com/tb.php/365-0a8a60e3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。