YosibeiのB席

世の中には著名団体の来日公演でS席しか行かない、という方もいるでしょう。でもワタシは、今日も当たりを求めてごく普通の定期に向かいます。なお、コメント/トラックバックを可能にしました。

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「やればできるじゃん」と思わせるタコ5『青春』

ことし1月、アレクサンドル・ラザレフの首席就任とともに
一気に評判が良くなった日フィル。
そのラザレフ=日フィルをまだ聴いてませんが、
首席客演指揮者ピエタリ・インキネンの就任披露演奏会で
サントリーホール1階後方へ。

9月4日(金)19:00 サントリーH
【日本フィルハーモニー交響楽団第613回定期演奏会】
指揮―ピエタリ・インキネン 樫本大進vn
●ショスタコーヴィチ…祝典序曲
●シベリウス…ヴァイオリン協奏曲
●ショスタコーヴィチ…交響曲第5番《革命》

最初の「祝典序曲」から、日フィルらしからぬ
力で押さない余裕ある響き。ちょいと驚き。
続くシベリウスのソロは
ベルリン・フィルハーモニー第1コンサートマスターの
プロベーションに入った樫本大進。
彼の実演には一度
ブラームスで接したような気がするのですが、
メモもなくさほどの好印象も残ってないところを見ると、
熊本で聴いたのかな?
結論としては、個人的にはさほど感心せず。
客席はそれなりに沸いてましたが、シベリウス、
何だかんだで実演ではしょっちゅう聴く協奏曲です。
ソリストとして、彼の立ち位置の曖昧さを感じる。
すごく切れるテクニックを持っている感じはないし、
すこぶる甘い美音というわけでもなく
鋭い知性的な切り口、という感じもしない。
結構動き回るソリストですが、感情が音になり切っていないもどかしさ。
この曲については、バイバ・スクリデの
筋肉質かつメロウなひびきの実演の方が
個人的にはよほど印象に残っています。
この演奏、悪くはないんだけど、記憶にはきっと残らない…かな。

一方、目をみはったのは休憩後の「革命」。
物凄い「超名演」とは思いませんが、これは個人的に記憶に残る演奏かも。
とかく「革命」は、ある種暴力的に演奏されるもの。
ですが全体にわたり、
速めのテンポで整えられたインキネンの音楽は違って。
1楽章の憂愁と感情の爆発は、
ソヴィエト人民とか前衛とか社会主義リアリズムとかに一切関係なく、
まるで青年の葛藤や成長の過程のごとく
リリシズムにあふれて描かれていく。
プロコフィエフの7番には、
いまいち個人的にピンとこない「青春」という副題が付いてますが
このインキネンの演奏に限っては、
ショスタコの5番にそういう副題を付けてもいいとさえ感じました。
考えてもみてください。
この曲の初演時、作曲者はまだ31歳なんですよ。
人のすべての苦悩と人生の年輪を、全て備えているハズはなくて。

3楽章中間部、弦に隠れているclのトレモロを
ベルアップして最強奏させる手口は初めて見ました。
こういう手垢の付いた音楽で「そうか、こういう手があるのか」
と聴き手を納得させるアプローチができ、なおかつ、
それをオケにうまく実行させられるというのは、やはり才能だと思います。
もっさりした音が特徴の日フィル、
ラザレフ効果かそれともこの若い指揮者の実力か、
「やればできるじゃん」という感じのしなやかで美しい音楽。
こういう演奏は忘れない、記憶からきっとこぼれ落ちない。

で、同じ楽団でさほど人も違わないのにこういうのを聴いてしまうと、
意地悪にも
「じゃぁこの間まで正指揮者とかやってたNとかいうヤツは
 一体何やってたんだ?」ということになります。ううむ^^;。
  1. 2009/09/04(金) 23:55:13|
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